近大図書館司書

近畿大学通信過程にて司書を目指しています。

2022.7.17に行なった試験の問題と回答例です。

 

【問題】

 多文化サービスについて、留意点とともに説明して、今後の課題を列挙してください。

 

※コピーは大学により禁止されています。参考程度にご活用ください。

 

【回答例】

1多文化サービスの意義

 多文化サービスとは、多文化社会における図書館サービスのことである。民族的・言語的・文化的少数者のための図書館サービスとして、アメリカなど移民受け入れの多い国々で始まった。日本では、1970年代から東京都立図書館で中国語、韓国・朝鮮語資料の収集や提供が行われてきた。 

 外国人が日本に来て生活する場合、日本語がわからなければ情報不足になりがちである。異国での生活をする上での不安解消や、お互いの文化を知ることで交流を円滑にしたりするといった意義がある。

 

2多分化サービスの対象

 サービスの対象としては、該当図書館のサービス対象地域における民族的・言語的・文化的少数者となるが、対象を明らかにするには、その実態をつかむ必要がある。

 

3多文化サービスの資料

 民族的・言語的・文化的少数者のニースが多様であり、永住者が居住地の生活関連情報を求めるのに対して、新来者や短期滞在者は母国の最新ニュースを求めることが多い。

 外国語の資料は日本語の資料に比べて割高で扱いにくいが、それだけ利用者の喜びも大きい。自館の職員だけでなく、同様のサービスをしている図書館や外国政府機関、民族的・言語的・文化的少数者のボランティアなどに相談しながら活動を広げていくことが、相互理解を深める意味でも望ましい。

 

4多文化サービスの課題

 装備した資料や情報が効果的に利用されるようにコミュニケーションを工夫することが必要である。民族的・言語的・文化的少数者のニーズに対応した情報が図書館にあり、利用できることを理解してもらうために、利用案内を他言語化するなどがある。また、館内の掲示やサイン、配布物などを他言語化することである。そのためにボランティアなど募るのも良いだろうと考えられる。

 

【参考文献】